『ヒトの背骨はS字で構成されている』
これは誰もが知っているヒトの構造です。
首が前、胸が後ろ、腰が前、仙骨が後ろ。これを横から見た時にS字に見えることから
『ヒトの背骨はS字で構成されている』と呼ばれるようになったのだと思います。
発生学的に頭の後ろからおでこ『前頭骨』までが『骨由来』、おでこから下は『内臓由来』ということを知った時から
私は『S字はおでこからと足先まで』と考えています。専門用語ではS字の前側を『前弯』、後ろ側を『後弯』と表現します。
おでこ→前弯
後頭部→後弯
首→前弯
胸椎(肩甲骨の間あたり)→後弯
腰→前弯
仙骨(左右骨盤の間)・股関節→後弯
膝関節→前弯
足首・かかと→後弯
土踏まず・アーチ→前弯
トレーニングや施術の際にクライアントの方々から出る主訴の多くは、
・『おでこのシワが気になる』
・『首が痛い』
・『腰が痛い』
・『膝が痛い』
・『足の裏や母趾球が痛い』など。つまりは、、
『構造的に前弯している箇所に痛みが生じることが非常に多い』ということです。
逆にトレーナーがトレーニングや施術の際に重要視することの多くは、
・『後頭部を伸ばしアゴを引いて』
・『胸椎を立てて肩甲骨寄せて』
・『股関節引いてお尻を突き出して』
・『かかとをまっすぐにして足首動かして』などなど。
『構造的に後弯している箇所を大切にすることが非常に多い』ということです。
関節には大きな役割として2つに分類することができます。
『固定の関節』か『動作の関節』かです。そして、
主な『固定の関節』は『前弯』している箇所。
主な『動作の関節』は『後弯』している箇所が該当します。例えば、、
『土踏まずのアーチが開いて安定しているから、足首が自由に動ける』
『膝が安定しているから、股関節が自由に動ける』
『腰回りが腹筋などによる腹圧で安定しているから、その上の胸椎や肩甲骨が自由に動ける』
『首やノドまわりが筋肉で安定しているから、後頭部が首の上にきちんと立って頭を支える事ができる』
『これらすべての関節が安定をするから、おでこは引き上がりそこにぶら下がる表情筋が自由に動ける』
など、関節の役割は決まっており互いに影響し合っています。
では不調を訴えたり変な筋肉のつき方をするときはどんな状況かを連続的に表現すると、、、
『足の甲が開けず土踏まずのアーチが硬く縮こまってしまうと、足首が固定され関節が硬くなりアキレス腱に負担を掛けたり、ふくらはぎの筋肉がズンっと太くなったりする』
『足首周りが硬くなり地面との接地面に不安定性が出ると膝の安定性が失われ、膝がつま先より前に出て太ももの前で踏ん張るため、太ももが太くなったりねじれて痛めやすくなったりし、本来自由に動く股関節・お尻が固定され関節が硬くなる』
『股関節が固定され関節が硬くなるとその上の腰で動かなくてはいけなくなり、腰の安定性が失われ痛みを生じたり反り腰になってしまう』
『腰の安定性が失われると、本来自由に動く胸椎や肩甲骨が硬く固定され猫背や肩こりなどを引き起こす』
『胸椎や肩甲骨が硬く固定されると、首は安定性を失い前に出た状態で頭を支えるため首こりや寝違え、ストレートネックなどを引き起こす』
『首が安定性を失い前に出た状態にいると、アゴが上がり後頭部と首の間が硬くなり頭痛が起きたり眼精疲労が起きたりする』
『後頭部と首の間が硬くなると、おでこの安定性が失われ弛みやシワができ始める』
『おでこが安定性を失うと、そこにぶら下がる表情筋たちは自由を失い筋力低下によりたるみやシワを引き起こす』
大切なことは『固定の関節』と『動作の関節』の役割分担をきちんと理解し、
どこかが動きにくいのはその上下の関節が『固定』されていないからとわかれば、必然的にどこから改善すべきかが見えてきます。
間違っても関節の機能を逆転させて使い、痛み・痩せれない・老けてきたなどのトラブルに陥らないようにしましょう。
『構造を知ることは、大局を見る『目』を養うということ。』
Personal Face Trainer
-木村祐介-