ラクビー日本代表・五郎丸歩選手がキックの前に行う独特のルーティーンが話題になりました。
忍者のようなポーズを真似された方も多いと思いますが、あのポーズ単体には意味がなく一連のルーティンを必ず行うことで、
フリーキックの成功率を80%オーバーにすることに成功したと、ともに作った日本代表のメンタルコーチである荒木香織教授が記事の中でおっしゃっています。
(リンク先)「五郎丸ポーズ何の意味もない」女性博士が語る開発秘話……「験担ぎではありません」
皆さんもフリーキックやフリースロー、バッターボックスに入る時などなど
競技スポーツをやったことがある方は、少なからずルーティンが存在していたと思います。
この何かパフォーマンスの前に行うルーティンを『プレ・パフォーマンス・ルーティン』と心理学の分野では呼ぶらしいです。
五郎丸選手のルーティンを見ていると、身体の筋肉バランスを整え身体を安定していくこともルーティンの中に含まれているのかなと考えるようになりました。
以前のブログで『小指の大切さ』について書きました。(こちら『上半身のキーは小指にある』)
五郎丸選手のルーティンにはこの『小指の意識』が徹底されています。
『小指の意識』とは小指を包む筋膜は二の腕を通って肩甲骨に達し、肩甲骨の安定につながります。
逆に『親指の意識』は力こぶを経由して胸の筋肉に達するため、親指を強く握ったりすると、
肩甲骨が開いて、背中が丸くなり、首肩が力みやすくなってしまいます。
この場面を見ると人差し指・親指はリラックスし、小指側に意識があることがわかります。肩甲骨から脇あたりの安定につながり肩がすくむ事はありません。
ボールの軌道を計るかのように右手を上下するこの場面も脇を開かず、『小指から動かす事を意識した軌道』をしています。
そしてあまり注目されませんが、蹴る瞬間に五郎丸選手の左腕は右足の対角線上にあげ、手のひらや指先まで開いています。
こうすると肩甲骨や背中、お尻などに力が伝わりやすくなりキックに安定感が生まれます。
このようにメンタル的な重要度の高い『プレ・パフォーマンス・ルーティン』
筋膜的な連続から構造を紐解くと、『体幹の安定性の向上』など、筋肉などにも良い影響があることを示すことができます。
『森を見て、木を見る』
Personal Face Trainer
-木村祐介-